特色
- 進学振り分け制度
入学者は全員駒場の教養学部に籍を置く。1,2年次は進学学部・学科が決定していない。その2年間の成績によって、3年次以降の進学先が決まる。
2008年度募集要項
| 前期 | 理科Ⅲ類 | 90名 |
|---|---|---|
| 後期 | 0名 |
出題の傾向と対策
数学
【2008年度】
[1] 1次変換、数列、極限、領域
⇒直線の移動、3項間漸化式、数列の極限、領域→図示
[2] 確率
⇒白黒2種類のカードが4枚あるいは6枚の色がそろう確率
[3] 空間図形、積分法
⇒正八面体の平行な2面に垂直な軸のまわりの回転体の体積→図示
[4] 図形と式、微分法
⇒放物線の弦の長さを固定したときの弦の中点のy座標の値の最小値
[5] 整数
⇒各位の数がすべて1のn桁の自然数が27で割り切れるためのnの条件→証明
[6] 曲線の媒介変数表示、積分法
⇒三角関数で与えられた媒介変数表示の曲線で囲まれた図形の面積、三角関数の積分
【2007年度】
[1] 式と証明
⇒整式の係数が整数であることの証明、次数の考察→証明
[2] 数列、極限
⇒相似図形の辺の長さの和に関する極限
[3] 図形と方程式
⇒放物線の弦の内分点の存在範囲→図示
[4] 行列
⇒行列の直和分解→証明
[5] 確率
⇒硬貨の表裏の出方に従って積み上げるブロックの高さ
[6] 積分法
⇒面積の台形による近似、㏒2の値の評価→証明
【2006年度】
[1] ベクトル、図形と方程式
⇒平面上の点が与えられた図形上にあるための条件→証明
[2] 確率
⇒2種類の記号の配列
[3] 図形と方程式、三角関数
⇒角の3等分線と対称移動→証明
[4] 整数
⇒3文字の不定方程式の解→証明
[5] 数列、極限
⇒分数漸化式、項の評価、極限→証明
[6] 微・積分法
⇒逆関数の存在とその定積分→証明
【2005年度】
[1] 微分法、数列
⇒n次導関数の係数の漸化式、数学的帰納法→証明
[2] 複素数、2次方程式
⇒複素数を定数項とする2次方程式の解の条件から定数項を決定、解と係数の関係、複素数の絶対値
[3] 微分法、極限
⇒関数の増減、平均値の定理、数列の極限→証明
[4] 整数
⇒素因数の振り分け、不定方程式の整数解
[5] 確率、数列
⇒2人がカードを引くときの勝敗、数列の和
[6] 積分法、空間座標
⇒直交する3つの円柱によって定まる部分の体積
【2004年度】
[1] 図形と方程式
⇒放物線上の3点が正三角形の頂点となる条件、点の回転
[2] 整数、論証
⇒平方数の下2桁の数の和が偶数となるための条件→証明
[3] 曲線の媒介変数表示、積分法
⇒内サイクロイドの立式、面積と積分、三角関数のいろいろな定積分
[4] 3次関数と方程式、合成関数
⇒3次関数の合成関数で得られる方程式の解の個数、数学的帰納法による証明→証明
[5] 積分法、数値計算
⇒2球の共通部分の体積、πに関する近似計算→図示
[6] 確率、数列
⇒さいころの目による板の裏返し、偶奇に分けた確率と漸化式
■数学の傾向
【2008年度】は、発想力よりも処理力重視型の出題内容。小問誘導問題も増加している。
【2008年度】は、発想力よりも処理力重視型の出題内容。小問誘導問題も増加している。
【出題形式】
1.問題構成
試験時間150分、6題の出題が定着している
2.解答形式
解答形式は全問記述式である。解答は結果を記すだけでなく、解答経過も記述する。根拠記述に配慮し、場合を尽くした吟味を行い、慎重な計算を忍耐強く行うこと。
3.解答用紙
解答用紙はA3判の大きさであるが、余白を除くと実質スペースはB4判である。表面のみでなく裏面も使い、ここ数年、[3]、[6]が1面使用で、他は1面に2題ずつ割り当てられている。解答はその指定された箇所に記入する。
計算量が多かったり、場合分けが煩雑なこともよくあるので、紙面を縦に2分割して記入していくと、スペース不足であわてることを防げる。このことは意外と重要な工夫である。
計算量が多かったり、場合分けが煩雑なこともよくあるので、紙面を縦に2分割して記入していくと、スペース不足であわてることを防げる。このことは意外と重要な工夫である。
4.計算用紙
問題冊子の余白は計算に使用できる。余白の部分は非常に多く、計算だけでなく広く利用するとよい。題意の理解、解法の模索、答案の下書きなど、使いみちは多い。書き表しながら考えると思考内容が明確になるなど利点がある。
【出題内容】
1.出題範囲
【2008年度】は現行課程入試3年目で、出題範囲は「数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列、ベクトル)・C(行列とその応用、式と曲線)」である。
2.頻出項目
(1)最頻出項目は微・積分法、図形と方程式、数列、確率、極限、整数、である。
(2)微分法は関数値の増減への応用、積分法は面積・体積への応用の問題が多い。
(3)準頻出項目は空間図形、三角関数などである。
(2)微分法は関数値の増減への応用、積分法は面積・体積への応用の問題が多い。
(3)準頻出項目は空間図形、三角関数などである。
3.出題の特徴
いくつかの特徴を以下に述べる。
(1)整数の扱いを含む問題・・・【2004年度】 [2]、【2005年度】 [4]、【2006年度】 [4]、【2007年度 】[1]、【2008年度 】[5]と非常に多い。
出題形式も多様であり、レベルもやや難が多い。ここ2年は、【2007年度】が整式の係数についての論証、【2008年度】は数学的帰納法を用いる証明問題であるが、式処理上の着眼点に難しさがあり、工夫を要す問題となっている。
出題形式も多様であり、レベルもやや難が多い。ここ2年は、【2007年度】が整式の係数についての論証、【2008年度】は数学的帰納法を用いる証明問題であるが、式処理上の着眼点に難しさがあり、工夫を要す問題となっている。
(2)体積の問題・・・【2004年度】 [5]、【2005年度】 [6]、【2008年度】 [3]と、これも非常に多い。
しかも処理能力の高さを要求するものがほとんどである。
ただし、【2006年度】・【2007年度】の積分法の問題は体積に関するものではなく、積分についての出題の幅が広がったといえる。
しかも処理能力の高さを要求するものがほとんどである。
ただし、【2006年度】・【2007年度】の積分法の問題は体積に関するものではなく、積分についての出題の幅が広がったといえる。
(3)極限の問題・・・【2005年度】 [3]、【2006年度】 [5]、【2007年度】 [2]、【2008年度】 [1]とほぼ毎年出題されている。
ほとんどが諸分野の問題での値に関する極限の形をとっている。
ほとんどが諸分野の問題での値に関する極限の形をとっている。
(4)三角関数に関する問題・・・三角関数そのものを題材にするだけではなく、毎年他分野に分類される問題の処理においても重要なはたらきをしている。三角関数の計算には十分な練習を積むことが不可欠である。【2006年度】はtanの三倍角の公式を必要とする出題がみられたが、【2007年度】は余弦定理・半角の公式が解法中で用いられている。【2008年度】は媒介変数表示の曲線に関連した出題であった。
(5)確率・場合の数・・・どちらかの形でほぼ毎年出題される。場合分けを徹底する訓練や推移図から規則性を見出す訓練が欠かせない。
4.難易度
【2004年度】は、発想においては標準的であるが、計算処理量が尋常ではなかった。
【2005年度】は計算の煩雑さが改善され、発想と記述量の両面でよく吟味された良質な出題となった。
そして、現行課程入試初年度となった【2006年度】は全問題に小問誘導がなされて部分点がとりやすくなり、記述量も軽減された。発想面でも標準的なレベルのものが多かった。しかし計算・思考型とバランスがとれており、良いセットであったといえる。数学の力の差がよく現れたものと思われる。【2007年度】は小問設定のない問題は2題であった。計算量・発想力ともに【2006年度】と同程度、もしくは若干取り組みやすくなった。【2008年度】は易問1題、標準2題、やや難3題の構成で、計算力・論証力が試されるセットであったが、難しい発想力は要しなかった。処理力重視の過去のスタイルが少し復活した感がある。
なお、過年度においては数学コンテストのような程度を超えた出題もみられたが、最近は相当に改善されている。ただし、計算力と粘り強い場合分けに基づく論証や処理能力・発想力は今後も十分に問われ続けると思われる。
【2005年度】は計算の煩雑さが改善され、発想と記述量の両面でよく吟味された良質な出題となった。
そして、現行課程入試初年度となった【2006年度】は全問題に小問誘導がなされて部分点がとりやすくなり、記述量も軽減された。発想面でも標準的なレベルのものが多かった。しかし計算・思考型とバランスがとれており、良いセットであったといえる。数学の力の差がよく現れたものと思われる。【2007年度】は小問設定のない問題は2題であった。計算量・発想力ともに【2006年度】と同程度、もしくは若干取り組みやすくなった。【2008年度】は易問1題、標準2題、やや難3題の構成で、計算力・論証力が試されるセットであったが、難しい発想力は要しなかった。処理力重視の過去のスタイルが少し復活した感がある。
なお、過年度においては数学コンテストのような程度を超えた出題もみられたが、最近は相当に改善されている。ただし、計算力と粘り強い場合分けに基づく論証や処理能力・発想力は今後も十分に問われ続けると思われる。
■数学の攻略法
【粘り強い思考と論理的な根拠記述】
<傾向>にも述べたように、本学の入試問題は計算力・場合分け・論証力のどれをとっても相当の能力が試される内容が続く。
丁寧な思考と粘り強い分析を長時間行う勉強を続けた者とそうでない者の違いが出るので、そのような努力を軽視しないこと。記述にあたっては、論理的な思考が端的に表現できるように心がけなければならないが、立式の根拠記述などポイントになる理由づけを省きすぎてはならない。数学に限らず推敲の効いた思索と表現に常々気をつけることは学問の基本である。
丁寧な思考と粘り強い分析を長時間行う勉強を続けた者とそうでない者の違いが出るので、そのような努力を軽視しないこと。記述にあたっては、論理的な思考が端的に表現できるように心がけなければならないが、立式の根拠記述などポイントになる理由づけを省きすぎてはならない。数学に限らず推敲の効いた思索と表現に常々気をつけることは学問の基本である。
【場合分けと計算力】
領域、確率、場合の数、整数などの分野においては、とりわけ思考を整理する上で、場合分けの良し悪しが決定的なはたらきをすることが多い。見逃している場合がないか、最終的にどうまとめるかも含めて、普段から意識的に学習することが大事である。
また、積分計算や数列、確率などでは計算間違いが致命的になることも多い。1行ごとに計算を素早くチェックしたり、代入する数値の誤りがないか、特別な値で結果を検証するなどを常に心がけることでこの計算ミスを減らすことができる。また、複雑な計算をやり抜く根気を養うことと、周囲を気にしない集中力も大切である。
また、積分計算や数列、確率などでは計算間違いが致命的になることも多い。1行ごとに計算を素早くチェックしたり、代入する数値の誤りがないか、特別な値で結果を検証するなどを常に心がけることでこの計算ミスを減らすことができる。また、複雑な計算をやり抜く根気を養うことと、周囲を気にしない集中力も大切である。
【基礎事項を軽視しない】
解答の多くはたくさんの基礎事項で組み立てられている。通常の授業での定義、証明、基礎的な操作、公式の適用などを絶対に軽視してはならない。それとともに過去問に多く接することにより、それらの基礎事項を総合的に理解する中で定着させていくことも重要である。その過程で、よく使われるアイデアも身につけることができる。
【図形の感覚を身につける】
グラフを含め、必ず自らの感覚で描く努力を怠ってはいけない。精緻な図である必要はないが、乱暴な図は決してよくない。図やイメージは脳の高速処理機能であるから、大事に1つ1つ育てて収納していくつもりで普段から意識すること。これが楽しくなると、とてもよい効果を発揮することを忘れずに。
物理
【2008年度】
[1] 力学
⇒単振動、v-t図、等加速度直線運動、等速度運動、仕事とエネルギー、力学的エネルギーの保存、運動方程式→描図
[2] 電磁気
⇒コンデンサーの接続、ネオンランプ、静電エネルギー、仕事とエネルギー、エネルギーの保存
[3] 熱力学
⇒状態方程式、圧力、力のつりあい、浮力
【2007年度】
[1] 力学
⇒復元力、単振動、静止摩擦力、力学エネルギーの保存→論述
[2] 電磁気
⇒電磁誘導、レンツの法則、ファラデーの法則、誘導起電力、電力が磁界から受ける力、オームの法則、ジュール熱、力学的エネルギーの保存→描図・論述
[3] 波動
⇒波の干渉、復スリット、単スリット→論述
【2006年度】
[1] 運動・波動
⇒重心、等速円運動、万有引力、視線速度、ドップラー効果→論述・描図
[2] 電気と磁気
⇒誘導起電力、ネオンランプ、直流回路、オームの法則、キルヒホッフの法則、自己インダクタンス
[3] 運動
⇒電界のする仕事、仕事とエネルギー、運動量と力積、電流、気体の分子運動、圧力、状態方程式→論述
【2005年度】
[1] 運動
⇒万有引力、密度、単振動、2物体の衝突、力学的エネルギーの保存→論述
[2] 電流と磁界
⇒電流が磁界から受ける力、誘導起電力→論述
[3] 原子
⇒力学的エネルギーの保存、等加速度直線運動、ド・ブロイ波長、二重スリットの干渉→論述・描図
【2004年度】
[1] 運動
⇒力のつりあい、運動の法則、束縛条件、力学的エネルギーの保存、摩擦力、等加速度直線運動、軌跡(慣性力)
[2] 総合
⇒電界、仕事とエネルギー、運動方程式、等加速度直線運動、等速度運動、ローレンツ力
[3] エネルギー
⇒圧力、状態方程式(ボイル・シャルルの法則)、気体の状態変化、定圧比熱
■物理の傾向
【出題形式】
1.問題構成
大問3題の出題が続いている。試験時間は例年、理科2科目で150分である。現行課程入試となった【2006年度】以降も同じ。
2.解答形式
計算問題は最終結果だけでなく、途中の過程まで記述する解答形式である。論述的な設問が含まれることも多いので、要点を外さずに簡潔明瞭な答案を作成する練習も必要である。グラフを描く描図問題だけはよく出題されているが、【2004年度】【2005年度】【2007年度】ではグラフ選択の設問も含まれている。
3.解答用紙
解答用紙は理科4科目共通で、各大問ごとに十分なスペースが与えられている。スペースをどのように使うかの指示はないが、考察過程や結論がはっきり分かるように、整理して記述するべきである。
【出題内容】
1.頻出項目
(1)【2006年度】現行課程移行後の出題範囲は、物理Ⅰ・Ⅱ(「力と運動」、「電気と磁気」、選択範囲からは「物質と原子」の『原子・分子の運動(熱力学を含む)』を指定)である。
頻出項目としては、やはり高校の物理の2大分野である力学と電磁気学からの出題の割合が大きく、波動の分野からの出題も多い。【2008年度】は電磁気分野から久しぶりにコンデンサーの問題が出題されたのが注目される。また、熱力学の分野からは、【2004年度】【2008年度】に出題されている。
なお、原子物理の分野からの出題は、受験生の負担軽減のために、現在は出題範囲から除かれている。
(2)力学分野では、相互に影響を及ぼしあいながら動く2物体の運動を扱った問題が、【2004~2006年度】[1]に出題されている。
(3)単振動を扱った問題も目立ち、【2005年度】【2007年度】【2008年度】[1]は単振動の内容を含む問題である。
頻出項目としては、やはり高校の物理の2大分野である力学と電磁気学からの出題の割合が大きく、波動の分野からの出題も多い。【2008年度】は電磁気分野から久しぶりにコンデンサーの問題が出題されたのが注目される。また、熱力学の分野からは、【2004年度】【2008年度】に出題されている。
なお、原子物理の分野からの出題は、受験生の負担軽減のために、現在は出題範囲から除かれている。
(2)力学分野では、相互に影響を及ぼしあいながら動く2物体の運動を扱った問題が、【2004~2006年度】[1]に出題されている。
(3)単振動を扱った問題も目立ち、【2005年度】【2007年度】【2008年度】[1]は単振動の内容を含む問題である。
2.問題の内容
(1)複数の分野を融合させた総合的な問題が多い。
(2)個々の設問は頻出の標準的なものも多いが、その組み合わせ方や題材を扱う切り口に工夫がこらされたり、受験生があまり見慣れない題材が用いられたりしている場合も多い。
(3)文字式の計算問題が中心である。近似計算を要したり、数学的な処理能力を要することもよくある。
(4)【2008年度】のように出題がない年度もあるが、論述を要する設問の割合も大きい。
(5)描図を含む問題は、【2005~2008年度】と、最近はよく出題されている。
(2)個々の設問は頻出の標準的なものも多いが、その組み合わせ方や題材を扱う切り口に工夫がこらされたり、受験生があまり見慣れない題材が用いられたりしている場合も多い。
(3)文字式の計算問題が中心である。近似計算を要したり、数学的な処理能力を要することもよくある。
(4)【2008年度】のように出題がない年度もあるが、論述を要する設問の割合も大きい。
(5)描図を含む問題は、【2005~2008年度】と、最近はよく出題されている。
3.難易度
高校の物理の内容を逸脱しない範囲で、見慣れない設定の問題、新しい実験装置などで、そこで起きる物理現象をその場で考えさせる、というスタイルが東大物理の一貫した特徴といえる。しかし、無理な難問は出題されていない。難易の傾斜も配慮され、ときに誘導的な問題文になるが、応用的な思考力や総合的な数理能力を要求する問題といえる。試験時間に対して設問の分量はやや多めであるから、問題全体の見通しを立てて、素早く解く能力も必要である。【2004年度】は全体に易化したが、【2005年度】以降は3題とも、高校で扱う物理現象を理解し、その特徴をよく把握していないと、手が出しにくい問題である。
■物理の攻略法
【教科書を中心に基本事項の徹底的な理解】
複雑にみえる問題も、個々の設問は標準的なものが大部分である。まず、教科書で扱われている程度の事項はきちんと学習し、公式を導く過程や物理量の定義などの理解を十分にしておきたい。ただし、計算問題にせよ、論述問題にせよ、表面的な理解で公式を適用するだけの学習では対処できない問題が多く、教科書を中心にして、基本事項の本質的な理解を図ることが大切である。その上で、程度の高い参考書をざっと読んでみるのもよいだろう。
【目的をもった問題練習】
基本事項の徹底を図るためには、教科書傍用や標準的な程度の問題集を、まず完全にこなすのがよい。その上で、応用力や思考力を養うために、『新体系物理Ⅰ・Ⅱ』(教学社)や『難問題の系統とその解き方 物理Ⅰ・Ⅱ』(ニュートンプレス)などに取り組むとよいが、いたずらに数をこなすのではなく、問題の背景や計算結果のもつ意味を考えてみるなど、一歩踏み込んで掘り下げるような勉強が本学では特に必要である。また、別の解法を考える練習も大切である。見慣れない設定の問題や未経験の問題に対処するための柔軟な思考力やセンスは、こういう積み重ねで育成されるのである。
【計算力の養成】
近似計算を含め、煩雑な計算を要する問題もよく出題されている。途中の経過まですべて記述する解答形式でもあり、問題練習に際しては、面倒がらずに、計算過程を示しながら、自分で計算をすることが大切である。誤りの少ない、素早い計算をする力は、日頃の学習の積み重ねで身につくものである。また、近似計算ではある程度の慣れがなければ、近似の条件の使用に戸惑うことが多い。教科書の計算例(単振り子、ヤングの実験、ニュートンリングなど)や過去問などで、近似式の使い方をよく見ておき、近似計算が必要な問題に出会ったら、面倒がらずにやってみることである。
【出題傾向・出題形式に合わせた練習】
論述問題は慣れていなければ書きにくく、時間もかかるものである。考察理由を簡潔な文章に書き表わすような練習も普段から定期的にこなしておくとよい。通常の問題集では論述問題はあまり見られず、大学により特色もあるから、過去問を十分活用すること。なお、頭の中で考えるだけでなく、実際に自分で書いてみること。慣れていないと、短い時間で簡潔に表現するのは難しく、日頃からの十分な練習が大事である。同様にグラフの描図も慣れないと案外難しいものであるから、グラフを描く練習も面倒がらずにやっておくことである。
化学
【2008年度】
[1] 理論・無機
⇒氷熱量計による中和熱測定、凝固点降下、氷融解による体積減少(100字程度)、ボタン形酸化銀電池、NH3錯イオン→計算・論述・描図
[2] 理論・無機
⇒I2の溶解平衝・分配平衝、I2の効果(60字程度)、NOxの排ガス除去、酸化還元反応、分圧の法則→計算・論述・描図
[3] 有機・理論
⇒酢酸エステルC6H10O2の構造決定、ステロイド系化合物の他段階酵素反応→計算
【2007年度】
[1] 理論
⇒ファントホッフの法則、電解質の水溶液の浸透圧、弱電界質の電離平衝、見かけ上のイオン濃度「活量」→計算
[2] 理論・無機
⇒銅の無電解メッキ、フェーリング反応、面心立方格子、無機高分子ケイ素、アルミノケイ酸塩の組成と性質(30字程度、40字程度2問)→論述・計算
[3] 有機・理論
⇒<実験>芳香族エステルC9H10O2の構造決定、ペプチドの加水分解、アミノ酸・ペプチドの検出→計算
【2006年度】
[1] 理論
⇒炎と光の原理、セロチン酸C26H52O2の燃焼、期待の分子量測定と理論値との比較、熱化学方程式と→計算・論述
[2] 理論・無機
⇒ケイ素の結晶格子と半導体基板の製法・理論、ケイ酸塩からのシリカゲルの製法と不純物金属イオンの分離→計算
[3] 有機・理論
⇒分子式C3H8O2のアルコール類の構造決定、分子式C6H12のアルケン・シクロアルカンの構造決定→計算
【2005年度】
[1] 理論
⇒単分子膜の表面圧とアボガドロ数、四酸化二窒素の気相解離平衝(20・30・50・50~100字程度)→論述・計算
[2] 理論・無機
⇒酸化還元滴定によるCODの測定、アルミニウムの融解塩電界(50字程度2問、60字程度)→論述・計算
[3] 有機・理論
⇒エステル化反応の効率化、プロピオン酸無水物の反応、芳香族化合物の構造と反応(40字程度)→論述・計算
【2004年度】
[1] 理論
⇒実在気体と理想気体、気体の結晶化と物質量、面心立法格子、反応速度と触媒反応(50字程度2問、100字程度)→論述・計算
[2] 理論・無機
⇒ホタル石型結晶構造、電気分解、化学反応式を用いる計算、酸化還元滴定→計算
[3] 理論・有機
⇒スチレンの結合角、浸透圧、陽イオン交換樹脂とアミノ酸の溶出、C4H10Oの異性体、アルコールの酸化、アルデヒドの還元性、有機化合物の沸点の違い(15字2問)→計算
■化学の傾向
有機の構造決定で時間と得点を稼ぐ。
酸化還元・化学平衡の応用力は理論中心の整理で。
有機の構造決定で時間と得点を稼ぐ。
酸化還元・化学平衡の応用力は理論中心の整理で。
【出題形式】
1.問題構成
例年3題、各大問が2問で構成されており、実質6題の分量で出題されている。【2008年度】は、【2006年度】・【2007年度】でみられた長めの論文を読ませての設問形式がなくなり、従来型の思考問題で応用力を確かめるパターンにもどった。
2.解答形式
理科2科目150分の出題で、記述式と論述式による設問が主体である。【2008年度】は久しぶりに描図による設問が加味された。計算問題は途中計算式と化学反応式が要求される。論述問題は理由説明を求めることが多く、ときに現象説明が求められる。
3.解答用紙
A3判サイズ1枚の両面を使って解答する。表に[1]、[2]の解答、裏に[3]の解答となる。したがって、解答枠を考慮した無駄のない解答が要求される。また、横罫紙のみで解答欄がないので、採点者にわかりやすい答案づくりも重要となろう。
【出題内容】
1.理論分野
全体的に理論分野からの出題が多く、テーマを決めた総合問題で応用力が確かめられる。実験や観測データをもとに、理論的な裏づけが要求され、計算のみならず論述や描図による設問も試みられる。
頻出分野としては、酸化還元反応、反応速度と化学平衡、気体の法則、結晶構造などが考えられる。酸化還元反応については応用問題として、化学的酸素要求量COD、燃料電池、ヨウ素滴定、融解塩電解などが出題されている。反応速度と化学平衡では、反応速度と触媒、圧平衡、電離平衡、分配平衡などで出題されているが、頻出物質とは異なる物質が扱われるのでとまどうかもしれない。なお、計算に当たっては途中計算式や化学反応式が要求され、解答スペースから考えて的確な解答ストーリー作成が必要とされよう。
頻出分野としては、酸化還元反応、反応速度と化学平衡、気体の法則、結晶構造などが考えられる。酸化還元反応については応用問題として、化学的酸素要求量COD、燃料電池、ヨウ素滴定、融解塩電解などが出題されている。反応速度と化学平衡では、反応速度と触媒、圧平衡、電離平衡、分配平衡などで出題されているが、頻出物質とは異なる物質が扱われるのでとまどうかもしれない。なお、計算に当たっては途中計算式や化学反応式が要求され、解答スペースから考えて的確な解答ストーリー作成が必要とされよう。
2.無機分野
イオン分析と錯イオン構造、気体の発生と性質、無機工業分野などの出題は、メインというよりはサブとしての取り扱いが多いが、基本から標準的な設問である。実験操作・装置は教科書記載レベルと考えてよく、化学変化の原理的な特徴と物質の性質、検出をとらえておくとよい。【2007年度】[2]銅の無電解メッキ、【2008年度】[2]尿素を用いたNOx除去法などは難しい。いずれも、出題文を熟読して前後の関連を読み取れば判明するが、時間を費やすかもしれない。
3.有機分野
有機化合物の構造決定に関する出題が多く、実験式、分子量測定から分子式を決定、各種検出反応を通して構造を決定することになる。このとき、構造異性体のみならず、幾何異性体、光学異性体をも考慮することになる。さらに、炭素間二重結合をもたない環状化合物の幾何異性体、鎖式および環式化合物の光学異性体・L体とD体の構造などについて深みのある対策が必要とされよう。
また、単糖類・アミノ酸から多糖類・タンパク質およびDNA、RNAなどの天然有機化合物からの出題は油脂を含めて難度が高い。
また、単糖類・アミノ酸から多糖類・タンパク質およびDNA、RNAなどの天然有機化合物からの出題は油脂を含めて難度が高い。
【難易度】
問題量、試験時間(2科目150分)、解答内容を考慮すると、時間的余裕はない。【2008年度】は若干解答量も増え、全問を試験時間内で解き切るのは難しいかもしれない。簡単な問題から手をつける工夫が求められる。
内容的には理論および無機・理論分野が高校教科書を超えて出題されることが予想され、それだけに幅広い科学的知識と緻密な思考力が問われる。難問の出題が考えられるが、一つ一つは高校で学習した知識で対応できよう。もちろん、有機・理論分野での出題が標準的な問題から難度の高い問題へとシフトすることも考えられるので、応用力を養成するためにも、常になぜそうなるかを考えながら問題演習に当たることが必要だろう。
内容的には理論および無機・理論分野が高校教科書を超えて出題されることが予想され、それだけに幅広い科学的知識と緻密な思考力が問われる。難問の出題が考えられるが、一つ一つは高校で学習した知識で対応できよう。もちろん、有機・理論分野での出題が標準的な問題から難度の高い問題へとシフトすることも考えられるので、応用力を養成するためにも、常になぜそうなるかを考えながら問題演習に当たることが必要だろう。
■化学の攻略法
【理論分野】
(1)教科書レベルに加え少し理解を深めよう
新傾向、新分野に対応した問題は、知識重視よりも問題文の熟読中心に考えて問題に当たるとよい。特に、酸化還元や化学平衡の分野では実験データの読み取りや化学変化の予測を含めて、筋道の通った答案づくりをめざそう。その際、酸化剤や還元剤の半反応式、化学平衡と質量作用の法則を原理面からとらえて、応用問題に当たるようにしたい。特に注意を要する項目を示す。
〈1〉化学平衡の応用分野として、【2008年度】に出題された分配平衡をはじめ、イオン分析をふくめた溶解度積、緩衝平衡、気液平衡。
〈2〉酸化還元反応では【2005年度】のCOD、【2008年度】の尿素を用いた排ガスNOx除去のほか、ヨウ素滴定や塩化銀定量の沈殿滴定など。
〈3〉希薄溶液分野では【2008年度】に出題された電解質の凝固点降下に加え、沸点上昇、浸透圧および蒸気圧降下のラウールの法則まで含めた対策。
〈4〉【2006年度】に太陽電池基板となるケイ素結晶が出題され、【2008年度】に酸化銀電池が出題された。酸素‐水素燃料電池の応用としてメタノール、メタンなどを燃料とした燃料電池も勉強しておきたい。また、水素燃料を閉じ込める結晶分野まで広げた思考をもちたい。
新傾向、新分野に対応した問題は、知識重視よりも問題文の熟読中心に考えて問題に当たるとよい。特に、酸化還元や化学平衡の分野では実験データの読み取りや化学変化の予測を含めて、筋道の通った答案づくりをめざそう。その際、酸化剤や還元剤の半反応式、化学平衡と質量作用の法則を原理面からとらえて、応用問題に当たるようにしたい。特に注意を要する項目を示す。
〈1〉化学平衡の応用分野として、【2008年度】に出題された分配平衡をはじめ、イオン分析をふくめた溶解度積、緩衝平衡、気液平衡。
〈2〉酸化還元反応では【2005年度】のCOD、【2008年度】の尿素を用いた排ガスNOx除去のほか、ヨウ素滴定や塩化銀定量の沈殿滴定など。
〈3〉希薄溶液分野では【2008年度】に出題された電解質の凝固点降下に加え、沸点上昇、浸透圧および蒸気圧降下のラウールの法則まで含めた対策。
〈4〉【2006年度】に太陽電池基板となるケイ素結晶が出題され、【2008年度】に酸化銀電池が出題された。酸素‐水素燃料電池の応用としてメタノール、メタンなどを燃料とした燃料電池も勉強しておきたい。また、水素燃料を閉じ込める結晶分野まで広げた思考をもちたい。
(2)化学反応式・計算式に工夫、[1]、[2]の解答欄が2題でA3判用紙1枚分であり、そこへ途中計算式と化学反応式および解答を記載することになる。常日頃から解答にいたる筋道と要点をつかんだ答案作成に気を配り、設問ごとに化学反応式、未知数と計算式、解答と単位の3点が明確になるようにすればよいだろう。論述問題や描図問題もどの設問であるかを明確にする必要があろう。過去問での解答を参考にして、その分量を超えないような努力はしておきたい。
【無機分野】
(1)図説などを多用する
各種結晶構造や金属イオン分析、【2008年度】に出題されたヨウ素の昇華実験とアンモニア錯イオン構造などは視覚的・立体的にとらえられる特徴がある。また、各種電池、気体発生装置、無機単体や化合物など実際図や模式図を参考にして知識を確実なものにしたい。図説としては、『化学図録』(数研出版)、『図説化学』(東京書籍)などがある。
各種結晶構造や金属イオン分析、【2008年度】に出題されたヨウ素の昇華実験とアンモニア錯イオン構造などは視覚的・立体的にとらえられる特徴がある。また、各種電池、気体発生装置、無機単体や化合物など実際図や模式図を参考にして知識を確実なものにしたい。図説としては、『化学図録』(数研出版)、『図説化学』(東京書籍)などがある。
(2)新素材、環境問題に関心をもつ
大気汚染と二酸化炭素、排ガスとしての硫黄酸化物SOx、【2008年度】に出題された窒素酸化物NOx、クリーンエネルギーとしての水素合成・水素貯蔵合金などが近年、環境面から注視されている。また、アモルファス、セラミックスなどの新素材分野を題材とした出題もあるので関心をもっておきたい。読み物として、『地球持続の技術』(小宮山宏、岩波新書)、『燃料電池』(槌屋治紀、ちくま新書)などがあげられよう。
大気汚染と二酸化炭素、排ガスとしての硫黄酸化物SOx、【2008年度】に出題された窒素酸化物NOx、クリーンエネルギーとしての水素合成・水素貯蔵合金などが近年、環境面から注視されている。また、アモルファス、セラミックスなどの新素材分野を題材とした出題もあるので関心をもっておきたい。読み物として、『地球持続の技術』(小宮山宏、岩波新書)、『燃料電池』(槌屋治紀、ちくま新書)などがあげられよう。
【有機分野】
(1)未知物質の構造決定は頻出
【2007年度】に有機化合物の元素分析実験が出題され、例年のように異性体と構造決定の出題がみられる。<傾向>でみたように、組成式、分子量、分子式を通して検出反応と特性から構造を決定するものである。したがって、各種異性体は鎖式、環式を問わず幾何異性体と光学異性体を考慮した上で、構造を推定する。各種検出反応は、反応の仕組みをとらえた理解をしておきたい。単に臭素との反応では、臭素が付加すれば炭素間不飽和結合であり、臭素と置換して白色沈澱となればフェノールであるというような、思い込んだ知識が解答を遠ざけてしまう結果になりかねない。
【2007年度】に有機化合物の元素分析実験が出題され、例年のように異性体と構造決定の出題がみられる。<傾向>でみたように、組成式、分子量、分子式を通して検出反応と特性から構造を決定するものである。したがって、各種異性体は鎖式、環式を問わず幾何異性体と光学異性体を考慮した上で、構造を推定する。各種検出反応は、反応の仕組みをとらえた理解をしておきたい。単に臭素との反応では、臭素が付加すれば炭素間不飽和結合であり、臭素と置換して白色沈澱となればフェノールであるというような、思い込んだ知識が解答を遠ざけてしまう結果になりかねない。
生物
【2008年度】
[1] 細胞周期、減数分裂、組み換え率
⇒「文1」ヒストン、クロマチン、動原体微小管の張力、収縮環
「文2」減数分裂、DNA複製と分配、二価染色体、乗換えとキアズマ
「文3」三点交雑・組換え率、染色体地図
→論述・計算
「文2」減数分裂、DNA複製と分配、二価染色体、乗換えとキアズマ
「文3」三点交雑・組換え率、染色体地図
→論述・計算
[2] 恒常性、腎・尿、血糖値
⇒「文1」恒常性、飲水・バソプレッシン
「文2」ネフロン、ろ過・再吸収・分泌
「文3」血糖値、グルコース・ろ過・排泄・再吸収量
→論述・計算
「文2」ネフロン、ろ過・再吸収・分泌
「文3」血糖値、グルコース・ろ過・排泄・再吸収量
→論述・計算
[3] 呼吸、化学合成、窒素の循環
⇒「文1」呼吸・ATP・ミトコンドリア、電子受容体
「文2」嫌気呼吸・化学合成細菌・硝化細菌、脱窒作用
「文3」土壌の陽イオンと陰イオン、自然界の窒素循環
→論述
「文2」嫌気呼吸・化学合成細菌・硝化細菌、脱窒作用
「文3」土壌の陽イオンと陰イオン、自然界の窒素循環
→論述
【2007年度】
[1] 細胞、動物の反応
⇒「文1」筋肉の種類と構造、筋肉の神経支配
「文2」右心房筋標本・左心房筋標本の自動能、自動能とホルモン・自律神経系、小腸筋標本
「文3」ヒトの心臓の構造と心室中隔欠損
→論述
「文2」右心房筋標本・左心房筋標本の自動能、自動能とホルモン・自律神経系、小腸筋標本
「文3」ヒトの心臓の構造と心室中隔欠損
→論述
[2] 総合
⇒「文1」植物の生育とソース・シンクの関係、光合成・窒素同化・好気呼吸
「文2」イネの栄養成長と葉の一生、転流と師管液の成分
「文3」イネの一生のソースとシンク、胚と胚乳
→論述・計算
「文2」イネの栄養成長と葉の一生、転流と師管液の成分
「文3」イネの一生のソースとシンク、胚と胚乳
→論述・計算
[3] 総合
⇒「文1」対立遺伝子・突然変異、遺伝病家系図
「文2」相同遺伝子、塩基置換数・アミノ酸置換数と分子進化速度、分子進化の系統樹
→論述・計算
「文2」相同遺伝子、塩基置換数・アミノ酸置換数と分子進化速度、分子進化の系統樹
→論述・計算
【2006年度】
[1] 細胞、遺伝情報の発現
⇒「文1」細胞小器官、タンパク質やRNAの輸送
「文2」リボソームRNAとリボソームタンパク質
「文3」分泌タンパク質の修飾と輸送
→論述
「文2」リボソームRNAとリボソームタンパク質
「文3」分泌タンパク質の修飾と輸送
→論述
[2] 代謝、生態系
⇒「文1」光合成の電子伝達系
「文2」生産構造図と葉面積指数
「文3」生態系の現存量と純生産量
→計算・論述
「文2」生産構造図と葉面積指数
「文3」生態系の現存量と純生産量
→計算・論述
[3] 総合
⇒「文1」マラリア原虫の生活環
「文2」ハマダラカのオーシストの2系統
「文3」ハマダラカのマイクロサテライトマーカー
「文4」かま状赤血球貧血症とマラリア
→論述・計算
「文2」ハマダラカのオーシストの2系統
「文3」ハマダラカのマイクロサテライトマーカー
「文4」かま状赤血球貧血症とマラリア
→論述・計算
【2005年度】
[1] 細胞、遺伝
⇒[文1]細胞周期各期の特徴
[文2]³Hチミジン標識と各期の時間の解析
[文3]半保存的複製
→論述・計算
[文2]³Hチミジン標識と各期の時間の解析
[文3]半保存的複製
→論述・計算
[2] 総合
⇒[文1]葉緑体ゲノム、共生説
[文2]蘚類の生活環、屈光性と原糸体の伸長
[文3]地質時代の大気の変化
→論述
[文2]蘚類の生活環、屈光性と原糸体の伸長
[文3]地質時代の大気の変化
→論述
[3] 反応・調節、遺伝
⇒[文1]視神経の半交差と盲斑
[文2]神経冠細胞と色素細胞
[文3]ライオニゼーションと猫の毛色
[文4]赤緑色盲の遺伝
→論述・計算
[文2]神経冠細胞と色素細胞
[文3]ライオニゼーションと猫の毛色
[文4]赤緑色盲の遺伝
→論述・計算
【2004年度】
[1] 総合
⇒[文1]植物細胞とプロトプラスト
[文2]ルビスコタンパク質のSとLポリペプチド
[文3]シグナルペプチドとSポリペプチド
[文4]アグロバクテリウムとT-DNA
→論述
[文2]ルビスコタンパク質のSとLポリペプチド
[文3]シグナルペプチドとSポリペプチド
[文4]アグロバクテリウムとT-DNA
→論述
[2] 総合
⇒[文1]味覚と興奮伝達
[文2]マウスの系統と苦味物質の受容体・遺伝子、マクロファージとTリンパ球の培養
→論述
[文2]マウスの系統と苦味物質の受容体・遺伝子、マクロファージとTリンパ球の培養
→論述
[3] 分子遺伝、進化
⇒[文1]DNAの構造
[文2]DNAの不連続複製、DNAワールド・RNAワールド、レトロウイルスと逆転写酵素
[文3]遺伝情報と生物の起源、突然変異の固定
→描図・論述・計算
[文2]DNAの不連続複製、DNAワールド・RNAワールド、レトロウイルスと逆転写酵素
[文3]遺伝情報と生物の起源、突然変異の固定
→描図・論述・計算
■生物の傾向
生物学的教養・論述力・考察力・描図力が要求される。
生物学的教養・論述力・考察力・描図力が要求される。
【出題形式】
例年1つのテーマをもった長文が与えられ、それに関連した幅広い出題が行われている。
大問数は5~7題の出題が続いていたが、【2006年度】からは4題に減少した。しかし、枝問を含めた総小問数は増加し、全体的な分量は以前と変わりない。問題1は小問集合が続いているが、さまざまな分野の設問で構成されており、記述・論述・描図など、解答の形式も多様である。問題2以下では、本格的な論述問題、描図問題が出題される。ただ、論述問題は字数指定ではなく、解答用紙の枠内での解答になっている。
また、各設問数は与えられた長文に沿ったものが多く、内容をしっかり理解できれば、それをヒントにして解答を作成できる設問もある。そのため、設問に直結する部分を長文の中から素早く見極める能力が求められる。
大問数は5~7題の出題が続いていたが、【2006年度】からは4題に減少した。しかし、枝問を含めた総小問数は増加し、全体的な分量は以前と変わりない。問題1は小問集合が続いているが、さまざまな分野の設問で構成されており、記述・論述・描図など、解答の形式も多様である。問題2以下では、本格的な論述問題、描図問題が出題される。ただ、論述問題は字数指定ではなく、解答用紙の枠内での解答になっている。
また、各設問数は与えられた長文に沿ったものが多く、内容をしっかり理解できれば、それをヒントにして解答を作成できる設問もある。そのため、設問に直結する部分を長文の中から素早く見極める能力が求められる。
【出題内容】
例年幅広い分野から、総合的な形で出題されている。
最近では、発生、動物の反応、遺伝情報とその発現からの出題が目立っていたが、【2008年度】は、久々にタンパク質と生物体(代謝)からの出題であった。また、「生物Ⅱ」の選択分野である進化・分類から出題もみられた。このように、長文で扱われるテーマは、年度ごとにいろいろな分野に移っており、出題頻度の高い分野を特定することは困難である。また、長文や設問に書かれている内容は、教科書の範囲を超えたものが多く、そこから科学的な教養・考察力を問う傾向が強い。
たとえば、ある仮設を示し、その仮説が正しいかどうかを調べるためにそのような実験を組み立てればよいか、という問題は、ほぼ毎年出題されている。
最近では、発生、動物の反応、遺伝情報とその発現からの出題が目立っていたが、【2008年度】は、久々にタンパク質と生物体(代謝)からの出題であった。また、「生物Ⅱ」の選択分野である進化・分類から出題もみられた。このように、長文で扱われるテーマは、年度ごとにいろいろな分野に移っており、出題頻度の高い分野を特定することは困難である。また、長文や設問に書かれている内容は、教科書の範囲を超えたものが多く、そこから科学的な教養・考察力を問う傾向が強い。
たとえば、ある仮設を示し、その仮説が正しいかどうかを調べるためにそのような実験を組み立てればよいか、という問題は、ほぼ毎年出題されている。
【難易度】
知識問題は標準レベルであるが、例年長文を十分に読解したうえでの論述や描図が求められており、実験や表などからの考察、実験計画、計算問題なども出題されるので、かなり難しいといえる。
また、2科目120分という試験時間もかなり厳しく、手際よくまとめていかないと、時間不足で解答できない問題も出てくるであろう。
また、2科目120分という試験時間もかなり厳しく、手際よくまとめていかないと、時間不足で解答できない問題も出てくるであろう。
■生物の攻略法
【リード文対策】
東大生物のリード文は長い。そのうえ新しい題材を扱ったものも多い。すべてのリード文をじっくり読んでいると、それだけで疲れてしまったり、気持ちだけが焦って考える時間が少なくなってしまう。文章を読むのが好きで、内容を素早く理解するのが得意だという受験生は大丈夫だが、そうでない受験生には以下の方法を勧める。
まず、リード文には
まず、リード文には
(1)「掘り下げて読まなくても解答できるもの」
(2)「じっくり読まないと解答できないもの」(これがほとんど)
(2)「じっくり読まないと解答できないもの」(これがほとんど)
の2通りある。(1)は知識問題で設問だけみても答えられるもので、(2)は東大独特の目新しい題材を扱った実験の説明である。リード文がどちらのものかはリード文の後にある[問]でわかる。(2)については、場合によっては自分でメモを取ったり、重要なところに線を引いたりして、設問に必要なところがわかるようにしておくとよい。[文1][文2]などの長いリード文に、比較的短文の"問Ⅰ、Ⅱ"などが対応しているので、"問"のページをめくって、対照させながらリード文を読むと、リード文の読み方がわかるだろう。
本学では細かな知識よりも思考力が重要視されており、新しい題材や事項などはリード文で説明してある。しかし、そういったこともあらかじめ知っていると、それだけ有利である。遺伝子情報の発現や免疫の分野については、大学の教養レベルの『現代用語百科 バイオテクノロジー編 第2版』(丸野内棣・澤田誠著、東京化学同人)が役に立つ。また、新聞や科学雑誌などで、時事的な話題についても目を向けておきたい。近年ではクローンや臓器移植、環境ホルモンなどが注目株であろう。
本学では細かな知識よりも思考力が重要視されており、新しい題材や事項などはリード文で説明してある。しかし、そういったこともあらかじめ知っていると、それだけ有利である。遺伝子情報の発現や免疫の分野については、大学の教養レベルの『現代用語百科 バイオテクノロジー編 第2版』(丸野内棣・澤田誠著、東京化学同人)が役に立つ。また、新聞や科学雑誌などで、時事的な話題についても目を向けておきたい。近年ではクローンや臓器移植、環境ホルモンなどが注目株であろう。
【論述対策】
論述が本学入試の要であることを考えると、試験時間とのかねあいからも、短時間で自分の考えを簡潔に素早くまとめる練習が必要である。
求められている知識そのものは基本的なものがほとんどなので、それをいかに内容を絞ってまとめるかがポイントとなる。これは知識のあるなしとは別問題であるから、教科書学習が全部終わってからなどと悠長なことをいわずに、機会があればとにかく「自分の手を動かして」文章を書く練習をし、表現力のレベルアップをはかっておくこと。その上で、過去問はもちろんのこと、かなりハイレベルだが『生物 考える問題100選』(駿台文庫)などの問題集を利用して、作成した解答の文章を先生に添削してもらうとよい。
求められている知識そのものは基本的なものがほとんどなので、それをいかに内容を絞ってまとめるかがポイントとなる。これは知識のあるなしとは別問題であるから、教科書学習が全部終わってからなどと悠長なことをいわずに、機会があればとにかく「自分の手を動かして」文章を書く練習をし、表現力のレベルアップをはかっておくこと。その上で、過去問はもちろんのこと、かなりハイレベルだが『生物 考える問題100選』(駿台文庫)などの問題集を利用して、作成した解答の文章を先生に添削してもらうとよい。
【実験考察問題対策】
本学の出題は考察や論述・計算を要する設問が独創的であることから、過去の出題例にはできるだけ多くあたっておくこと。既出問題の研究にあたっては「この項目・この題材が出題されている」ということだけではなく、「問題文や与えられた条件をいかに解答に結びつけるか」という、どの分野にも共通する方法を研究してほしい。また、実験考察問題の対象として、最近の生物学のトピックスにも注意を払っておきたい。
【多角的・体系的な理解を目指す】
1つのテーマでも多角的・総合的な形で問うのが本学の特色であるから、教科書や参考書での学習が一通り終わったら、それぞれの分野を断片的な理解にとどめず、体系的に関連づけて把握することが大切である。
言い換えると、一問一答式の思考回路では困るということである。例えば、「ペーパークロマトグラフィー→色素の展開」という発想は本学では通用しない。
「この用語(実験法・事柄など)が出たらこのことを答えるとよいのだ」という思いこみは危険である。
おなじみの用語や事柄が教科書や参考書とは違う文脈で問われることを念頭においておくこと。そのためにはまず、『生物事典〈四訂版〉』(旺文社)などで確認していろいろな角度から理解しておくことが必要である。本学レベルの演習書としては、現行課程用に改訂された『生物Ⅰ・Ⅱ標準問題精講〈四訂版〉』(旺文社)などがよいだろう。また、問題集の中でも総合問題だけを選んで解いて、知識問題で解けないものがあった場合には、その分野の学習が盲点になっているということだから、見過ごさず「弱点ノート」などを自分で作成して、重点学習を行い、克服しておくことが必要である。
言い換えると、一問一答式の思考回路では困るということである。例えば、「ペーパークロマトグラフィー→色素の展開」という発想は本学では通用しない。
「この用語(実験法・事柄など)が出たらこのことを答えるとよいのだ」という思いこみは危険である。
おなじみの用語や事柄が教科書や参考書とは違う文脈で問われることを念頭においておくこと。そのためにはまず、『生物事典〈四訂版〉』(旺文社)などで確認していろいろな角度から理解しておくことが必要である。本学レベルの演習書としては、現行課程用に改訂された『生物Ⅰ・Ⅱ標準問題精講〈四訂版〉』(旺文社)などがよいだろう。また、問題集の中でも総合問題だけを選んで解いて、知識問題で解けないものがあった場合には、その分野の学習が盲点になっているということだから、見過ごさず「弱点ノート」などを自分で作成して、重点学習を行い、克服しておくことが必要である。
【天文】
毎年、大問1題が計算問題を伴って出題されている分野である。計算もかなり複雑なものが多く、数学的知識はもちろんのこと、物理的知識も要求されることが多い。
すなわち「地学Ⅱ」の内容を十分学習しておかねばならない。分野別にみると、天球および座標は必ず描写しながら理解すること。太陽放射と地球への影響についても整理しておくこと。惑星現象、会合周期、ケプラーの法則、恒星の光度、HR図、連星、変光星、銀河系、ハップルの法則などはその内容とともに、計算ミスを防ぐためにも計算に習熟しておくこと。また、恒星の一生や宇宙の進化などについてもまとめておくこと。特に恒星に関しては質量や内部構造の変化、元素の形成などとも関連づけて理解しておくことが必要である。
全体として、物理の基礎学習が必要で、特に基礎的な力学はぜひ学習しておきたい。【2004年度】では、ドップラー効果の式を使った計算問題が出ている。さらに「地学Ⅱ」では、さまざまな計算や宇宙論も扱われているので十分学習しておくこと。
すなわち「地学Ⅱ」の内容を十分学習しておかねばならない。分野別にみると、天球および座標は必ず描写しながら理解すること。太陽放射と地球への影響についても整理しておくこと。惑星現象、会合周期、ケプラーの法則、恒星の光度、HR図、連星、変光星、銀河系、ハップルの法則などはその内容とともに、計算ミスを防ぐためにも計算に習熟しておくこと。また、恒星の一生や宇宙の進化などについてもまとめておくこと。特に恒星に関しては質量や内部構造の変化、元素の形成などとも関連づけて理解しておくことが必要である。
全体として、物理の基礎学習が必要で、特に基礎的な力学はぜひ学習しておきたい。【2004年度】では、ドップラー効果の式を使った計算問題が出ている。さらに「地学Ⅱ」では、さまざまな計算や宇宙論も扱われているので十分学習しておくこと。
英語
【2008年度】
[1](A)
読解
⇒要旨(70~80字)
読解
⇒欠文補充、不要文指摘、段落整序、表題
作文
⇒欠文補充(15~20語2問)
作文
⇒テーマ作文(50~60語)
オーラル
⇒リスニング
文法・語い、読解
読解
⇒不要語指摘
読解
⇒部分和訳
同意語句、空所補充、語句整序、内容説明(20~30字他)、指示内容、部分和訳、要約文の完成
同意語句、空所補充、語句整序、内容説明(20~30字他)、指示内容、部分和訳、要約文の完成
【2007年度】
読解
⇒要旨(80字~100字)
読解
⇒欠文補充、不要文指摘、段落整序、表題
作文
⇒英語による要約(50~60語)
作文
⇒テーマ作文(絵に合わせた説明英文40~50語)
オーラル
⇒リスニング
文法・語い、読解
読解
⇒不要語指摘
読解
⇒部分和訳
空所補充、部分和訳、内容説明(40~50語他)、語句整序
空所補充、部分和訳、内容説明(40~50語他)、語句整序
【2006年度】
読解
⇒要旨(65字~75字)
読解
⇒段落補充
作文
⇒英語による要約(60~70語)
作文
⇒テーマ作文(60~70語)
オーラル
⇒リスニング
文法・語い、読解
読解
⇒語句整序
読解
⇒部分和訳
空所補充、指示内容、内容説明(25~35字他)、部分和訳
空所補充、指示内容、内容説明(25~35字他)、部分和訳
【2005年度】
読解
⇒要旨(60字~70字)
読解
⇒段落補充
作文
⇒テーマ作文(絵に合わせた説明英文30~40語)
作文
⇒欠文補充(3問計40~50語)
オーラル
⇒リスニング
文法・語い
読解
⇒不要語指摘
読解
⇒部分和訳
空所補充、部分和訳、内容説明(40~60字他)
空所補充、部分和訳、内容説明(40~60字他)
【2004年度】
読解
⇒要旨(60字~70字)
読解
⇒段落補充
作文
⇒テーマ作文(50語程度)
作文
⇒英語による要約(60語程度)
オーラル
⇒リスニング
文法・語い
読解
⇒語句整序
読解
⇒部分和訳
空所補充、部分和訳、語句意、省略語句、内容説明
空所補充、部分和訳、語句意、省略語句、内容説明
■読解英文の主題
【2008年度】
[1](A) 論説
⇒人の外見の判断と内面の評価
(B) 論説
⇒生命の基礎の新しい理解
[5] 物語
⇒思春期の娘と母親の思いのすれ違い
【2007年度】
[1](A) 論説
⇒詩の意味を決めるのはだれか
(B) 論説
⇒競い合う廃棄処理システム
[5] 物語
⇒帰郷
【2006年度】
[1](A) 論説
⇒民主主義の理想と現実
(B) 随筆
⇒アメリカのある行事の歴史と意味
[5] 随筆
⇒有名人に対する一般人の反応
【2005年度】
[1](A) 論説
⇒優れたスポーツ選手に必要なもの
(B) 論説
⇒エスペラント語の発明
[5] 物語
⇒灯台守と少年の話
【2004年度】
[1](A) 論説
⇒専門分野における記憶の仕組み
(B) 論説
⇒マダガスカルにおける環境保護計画
[5] 物語
⇒分離独立が招いた混乱
■英語の傾向
速読即解+即表現力の総合力。
日本語と英語を自在に扱う力が必要。
速読即解+即表現力の総合力。
日本語と英語を自在に扱う力が必要。
【出題形式】
1.問題構成
例年大問5題、読解+作文+リスニング+文法・語いと、「話すこと」以外はすべて試される出題が続いている。
試験時間は120分。聞き取り試験は、試験開始後45分経過した頃から約30分間行われる。それぞれの問題は比較的標準的だが、量が多いため、時間との戦いになることは相変わらずである。
試験時間は120分。聞き取り試験は、試験開始後45分経過した頃から約30分間行われる。それぞれの問題は比較的標準的だが、量が多いため、時間との戦いになることは相変わらずである。
2.解答形式
記述式が中心。要約・作文・部分和訳の本格的な記述のほか、[5]の長文読解で字数制限つきの内容説明が出題されることがある。【2008年度】も20~30字のものが出題された。選択問題もあるが、記号などを解答用紙に記入する形式で、マークシート法はとられていない。
3.解答用紙
A3判大の用紙の両面を使って解答する。草稿用紙は問題冊子の中に与えられている。字数制限のある問題では、それに相当するマス目もある。
【出題内容】
1.読解問題
〈1〉要約問題
[1](A)として毎年必ず出題されている。英文自体は200~300語程度と短めのものが使われる。
要約の制限字数は年度によって差があり、30~40字のものから100~120字に及ぶ場合もある。【2008年度】は70~80字と平均的な長さだった。字数の変化は文章の内容に応じたものであり、字数が多いから難しい、少ないから易しいといった単純なものではない。選ばれた文章の要点をまとめ込むのにぎりぎりの字数になっていると考えておくのがよいだろう。つまり、字数がどうあれ、要点だけをわかりやすくまとめる力を試す問題である。
使われる英文は、テーマは多岐にわたるが、随筆的なものも含めて論説系である。
[1](A)として毎年必ず出題されている。英文自体は200~300語程度と短めのものが使われる。
要約の制限字数は年度によって差があり、30~40字のものから100~120字に及ぶ場合もある。【2008年度】は70~80字と平均的な長さだった。字数の変化は文章の内容に応じたものであり、字数が多いから難しい、少ないから易しいといった単純なものではない。選ばれた文章の要点をまとめ込むのにぎりぎりの字数になっていると考えておくのがよいだろう。つまり、字数がどうあれ、要点だけをわかりやすくまとめる力を試す問題である。
使われる英文は、テーマは多岐にわたるが、随筆的なものも含めて論説系である。
〈2〉段落・欠文補充問題
2000年度以降、[1](B)で出題されてきたが、【2008年度】は変化のあった2007年度と同じ傾向だった。
つまり、欠文補充(1箇所)、不要文指摘(ある段落中で論旨と最も関係のうすい文の指摘)、段落整序(文章の後半を構成する4段落の整序)、表題、という4つの小問構成である。従来は段落補充か欠文補充のいずれかだけだったが、この設問のねらいは、文章の流れ・論旨の展開を読み取る力を見ることである。小問設定の変化は、そのねらいはそのままに、よりきめ細かく受験生の力を見てみようということだと考えられる。不要文指摘は意表をついた設問だが、文章中の各文の役割をわきまえて読んでいるかどうかがよくわかる。逆に、文章を読んで理解するというのがどういうことかを改めて意識させてくれる問題である。
2000年度以降、[1](B)で出題されてきたが、【2008年度】は変化のあった2007年度と同じ傾向だった。
つまり、欠文補充(1箇所)、不要文指摘(ある段落中で論旨と最も関係のうすい文の指摘)、段落整序(文章の後半を構成する4段落の整序)、表題、という4つの小問構成である。従来は段落補充か欠文補充のいずれかだけだったが、この設問のねらいは、文章の流れ・論旨の展開を読み取る力を見ることである。小問設定の変化は、そのねらいはそのままに、よりきめ細かく受験生の力を見てみようということだと考えられる。不要文指摘は意表をついた設問だが、文章中の各文の役割をわきまえて読んでいるかどうかがよくわかる。逆に、文章を読んで理解するというのがどういうことかを改めて意識させてくれる問題である。
〈3〉部分和訳問題
【2004年度】は約250語の文章で和訳3箇所(いずれも20~30語程度)、【2005年度】は約340語の文章で和訳3箇所(17語+18語+44語=79語)、【2006年度】は約125語の文章で和訳3箇所(24語+21語+20語=65語)、【2007年度】は約200語の文章で和訳3箇所(25語+24語+25語=74語)、【2008年度】は約220語の文章で和訳3箇所(38語+21語+11語=70語)と、近年は和訳箇所合計が70語前後になっている。20語程度の文は分量としては短いが、直訳では通らない。意訳が求められるのは、単語の訳語レベルから文全体のレベルまでさまざまだが、常に何らかの工夫が必要である。なお、【2007年度】は、指示語の内容を明らかにして訳すという条件がついている箇所もあった。
英文の内容は論説系のものが主流。
【2004年度】は約250語の文章で和訳3箇所(いずれも20~30語程度)、【2005年度】は約340語の文章で和訳3箇所(17語+18語+44語=79語)、【2006年度】は約125語の文章で和訳3箇所(24語+21語+20語=65語)、【2007年度】は約200語の文章で和訳3箇所(25語+24語+25語=74語)、【2008年度】は約220語の文章で和訳3箇所(38語+21語+11語=70語)と、近年は和訳箇所合計が70語前後になっている。20語程度の文は分量としては短いが、直訳では通らない。意訳が求められるのは、単語の訳語レベルから文全体のレベルまでさまざまだが、常に何らかの工夫が必要である。なお、【2007年度】は、指示語の内容を明らかにして訳すという条件がついている箇所もあった。
英文の内容は論説系のものが主流。
〈4〉読解総合問題
[5]は例年読解総合問題である。英文の長さは年度によって異なるが、[1](A)・(B)と[5]の合計がほぼ同じになるように調整されている。
[1](A)は例年200~300語程度と一定しているので、[1](B)が長ければ[5]の分量が減り、逆もしかりである。おおむね700~800語+1000語強というところ。【2004年度】からこの3つの合計が2000語を超えている。【2008年度】は[1](B)が940語、[5]が970語。[1](B)は【2006年度】の訳1090語に次ぐ長さだったが、比較的内容の柔らかい論説だったので、読みやすかった。
題材としては[5]は論説系よりも伝記・物語・小説といった文学系のものが多い。【2008年度】も【2007年度】に続いて短編小説。論理性は他の問題で十分試せるので、場面や心理を思い描く想像力をここで見ていると言える。設問では、人物の心理を問う字数制限つきの内容説明を求める問題が【2005~2007年度】と同様に【2008年度】(20~30字)も出題されている。
[5]は例年読解総合問題である。英文の長さは年度によって異なるが、[1](A)・(B)と[5]の合計がほぼ同じになるように調整されている。
[1](A)は例年200~300語程度と一定しているので、[1](B)が長ければ[5]の分量が減り、逆もしかりである。おおむね700~800語+1000語強というところ。【2004年度】からこの3つの合計が2000語を超えている。【2008年度】は[1](B)が940語、[5]が970語。[1](B)は【2006年度】の訳1090語に次ぐ長さだったが、比較的内容の柔らかい論説だったので、読みやすかった。
題材としては[5]は論説系よりも伝記・物語・小説といった文学系のものが多い。【2008年度】も【2007年度】に続いて短編小説。論理性は他の問題で十分試せるので、場面や心理を思い描く想像力をここで見ていると言える。設問では、人物の心理を問う字数制限つきの内容説明を求める問題が【2005~2007年度】と同様に【2008年度】(20~30字)も出題されている。
2.作文問題
〈1〉テーマ作文
【2006・2007年度】と同様、【2008年度】も[2](B)がテーマ作文だった。【2008年度】は「今から50年の間に起こる交通手段の変化と、それが人々の生活に与える影響」を想像して、具体的に記すというもの。何を書くか内容の決定にある程度の時間が必要であるため、語数は50~60語と比較的短めであった。
【2006・2007年度】と同様、【2008年度】も[2](B)がテーマ作文だった。【2008年度】は「今から50年の間に起こる交通手段の変化と、それが人々の生活に与える影響」を想像して、具体的に記すというもの。何を書くか内容の決定にある程度の時間が必要であるため、語数は50~60語と比較的短めであった。
〈2〉欠文補充
2008年度は[2](A)で出題されている。書き出しが指定されていたり、会話の途中を補うなどの形式で出題される。【2008年度】は電子メールの一部を補う形。【2005年度】にも出題されており、周期的に登場するようである。
2008年度は[2](A)で出題されている。書き出しが指定されていたり、会話の途中を補うなどの形式で出題される。【2008年度】は電子メールの一部を補う形。【2005年度】にも出題されており、周期的に登場するようである。
〈3〉要約問題
【2004年度】・【2006年度】・【2007年度】に出題されている。【2008年度】は出なかった。複数人の会話やひとりの人が述べる連絡事項などの内容を指定された条件を満たしながらまとめるもの。[1]でも求められる要点把握力がベースで、それを英語で表現する力がプラスされるということになる。限られた語数に収めるのが難しい。
【2004年度】・【2006年度】・【2007年度】に出題されている。【2008年度】は出なかった。複数人の会話やひとりの人が述べる連絡事項などの内容を指定された条件を満たしながらまとめるもの。[1]でも求められる要点把握力がベースで、それを英語で表現する力がプラスされるということになる。限られた語数に収めるのが難しい。
〈4〉部分英訳
日本語がこなれたものなので逐語訳では無理がある。日本語で表現された内容を英語で伝えるという考え方で対処すべきだろう。それができれば、基本的な構文、語いで表現できる。この形式の別バージョンが〈3〉の要約問題と言える。
日本語がこなれたものなので逐語訳では無理がある。日本語で表現された内容を英語で伝えるという考え方で対処すべきだろう。それができれば、基本的な構文、語いで表現できる。この形式の別バージョンが〈3〉の要約問題と言える。
3.文法・語い問題
毎年なんらかの形で出題されている。大きく「誤り個所指摘」と「語句整序」に分けられるだろう。【2008年度】は「誤り個所指摘」で、一連の文章の5つの文それぞれの中に含まれる不要語を抜き出すもの。この不要語の指摘は比較的よく見られる形式である(【2005年度】・【2007年度】)。文法・語い問題としての「語句整序」は、【2004年度】・【2006年度】に出題されている。
【2006年度】が一連の文章での出題だった以外は短文レベル。しかし、難易度に大差があるわけではない。
いずれの形式でも、文法・語いの単純な知識だけではなく、それらを十分に使いこなせるレベルに消化していることが求められる。特に、「誤り個所指摘」は誤りが含まれているにもかかわらず文意はわかるので、日頃、目立つ単語の意味だけで英文内容を推測する読み方をする傾向がある人は、何がいけないのかわかりづらいだろう。文法的な側面も常に意識しておきたい。
【2006年度】が一連の文章での出題だった以外は短文レベル。しかし、難易度に大差があるわけではない。
いずれの形式でも、文法・語いの単純な知識だけではなく、それらを十分に使いこなせるレベルに消化していることが求められる。特に、「誤り個所指摘」は誤りが含まれているにもかかわらず文意はわかるので、日頃、目立つ単語の意味だけで英文内容を推測する読み方をする傾向がある人は、何がいけないのかわかりづらいだろう。文法的な側面も常に意識しておきたい。
【難易度】
読解問題で取り上げられている文章は標準的であり、設問にも難問・奇問はないが、一読で細部も大きな流れもつかめる理解力・思考力と、理解したことを伝える的確な表現力が求められる。
部分和訳が直訳では通らないのは例年のことである。作文問題は和文英訳がここ数年間出題されておらず、書く内容を自分で決めた上での英作文になっている。すべてに共通して言えることは、単純に英語を日本語に、日本語を英語に置き直すという作業ではなく、一度要点を消化して、新たに表現し直す創造行為が求められるということであろう。その意味で、従来から時間との勝負だった本学の問題は、難度を増していると言える。
部分和訳が直訳では通らないのは例年のことである。作文問題は和文英訳がここ数年間出題されておらず、書く内容を自分で決めた上での英作文になっている。すべてに共通して言えることは、単純に英語を日本語に、日本語を英語に置き直すという作業ではなく、一度要点を消化して、新たに表現し直す創造行為が求められるということであろう。その意味で、従来から時間との勝負だった本学の問題は、難度を増していると言える。
■英語の攻略法
【読解問題】
1.語いの充実
すばやく読みこなすために、豊かな語いが必要なのは当然である。
極端な難語はないので、標準的な語句を完全消化することを目標にしよう。この「完全消化」とは、単語集に見られる代表的な訳語が全部言えるというレベルではなく、そこをクリアした上でその語のもつ概念、意味の広がりをつかんでおくということである。
たとえば、【2008年度】[4](B)の部分和訳問題に見られるthink twiceは、辞書の通常の訳語では文意に合わない。overtakeもどういう事態を表しているのか、十分な内容理解が必要だった。語句の訳語を最終的に決定するのは文脈であり、辞書の訳語でさえも常に最適とは限らない。したがって、単語の訳ひとつとってみても、「文章が読める」=「全体の内容・要点を理解する」力と切り離せない。そこで、比較的易しい文章の多読と一定の水準を超えた英文の精読を組み合わせるといった工夫が必要になる。多読はひとまとまりの文章を読むという経験を増やすためであり、細かな点にこだわらず大いに文章を楽しめばよい。精読の際には辞書を丁寧に読むこと。代表的な訳語をチェックするとともに用例なども見て、その語がどのような使われ方をするのか、どのようなニュアンスなのかをつかむように心がけよう。辞書にもない訳語を解答に使う必要があると言うと不安かもしれないが、文脈がそれを求めているなら自信をもって使おう。その確信がもてるには日本語の充実も必要なので、全訳例などが参照できれば必ず通読し、自分には使いこなせていない語句や表現方法をしっかり盗みたい。単語集の類は、必要な語いが獲得できているかどうかのチェックと、「反応」速度を上げるための手段と考えるのがよいだろう。「反応」とは、ある語句を見た瞬間に代表的な訳語が浮かぶということである。したがって、単語集でチェックするときに、考え込んでからやっと訳語が出るというのではまだ消化度が足りないと思うこと。即座に訳語が言えて初めて合格である。
極端な難語はないので、標準的な語句を完全消化することを目標にしよう。この「完全消化」とは、単語集に見られる代表的な訳語が全部言えるというレベルではなく、そこをクリアした上でその語のもつ概念、意味の広がりをつかんでおくということである。
たとえば、【2008年度】[4](B)の部分和訳問題に見られるthink twiceは、辞書の通常の訳語では文意に合わない。overtakeもどういう事態を表しているのか、十分な内容理解が必要だった。語句の訳語を最終的に決定するのは文脈であり、辞書の訳語でさえも常に最適とは限らない。したがって、単語の訳ひとつとってみても、「文章が読める」=「全体の内容・要点を理解する」力と切り離せない。そこで、比較的易しい文章の多読と一定の水準を超えた英文の精読を組み合わせるといった工夫が必要になる。多読はひとまとまりの文章を読むという経験を増やすためであり、細かな点にこだわらず大いに文章を楽しめばよい。精読の際には辞書を丁寧に読むこと。代表的な訳語をチェックするとともに用例なども見て、その語がどのような使われ方をするのか、どのようなニュアンスなのかをつかむように心がけよう。辞書にもない訳語を解答に使う必要があると言うと不安かもしれないが、文脈がそれを求めているなら自信をもって使おう。その確信がもてるには日本語の充実も必要なので、全訳例などが参照できれば必ず通読し、自分には使いこなせていない語句や表現方法をしっかり盗みたい。単語集の類は、必要な語いが獲得できているかどうかのチェックと、「反応」速度を上げるための手段と考えるのがよいだろう。「反応」とは、ある語句を見た瞬間に代表的な訳語が浮かぶということである。したがって、単語集でチェックするときに、考え込んでからやっと訳語が出るというのではまだ消化度が足りないと思うこと。即座に訳語が言えて初めて合格である。
2.文脈把握力を培う
精読を必ず行うべきだが、常に全体の構成に目を配るようにしよう。最後まで読んだら改めて最初から通読してみるとよい。そうすることで、各部分が全体の中で占める役割が俯瞰的につかめる。
〈1〉要約問題
筆者の主張をつかむ力が直接試される。与えられる英文は比較的短いので、具体例をはずして要点を見極めよう。ただし、具体例をはずした残りを単純につなぎあわせれば要約になるわけではない。全体を読んで各部分の果たす役割を理解し、要点を再構成することを心がけたい。もとの英文の流れに沿ってまとめるのが適切である場合が多い。論説系の文章はもともと読者に理解してもらいやすい手順で話を進めているからである。ただし、それはあくまで一般的に言えることであり、【2008年度】の文章では、十分に論旨を消化して、自分の言葉でまとめ直すことが求められた。指定されている字数はぎりぎりであることがおおいので、余分なことは一切言えない。段落ごとの要点をまとめ、適切な接続表現でまとめあげていく練習を繰り返そう。実際に書いてみるとわかるが、文章の内容は十分に理解できているのに、なかなかうまく指定字数以内に収まらないものである。粘り強く何度も書いていくうちに、余分なところが削げてすっきりしてくる。その「快感」を知っておこう。
筆者の主張をつかむ力が直接試される。与えられる英文は比較的短いので、具体例をはずして要点を見極めよう。ただし、具体例をはずした残りを単純につなぎあわせれば要約になるわけではない。全体を読んで各部分の果たす役割を理解し、要点を再構成することを心がけたい。もとの英文の流れに沿ってまとめるのが適切である場合が多い。論説系の文章はもともと読者に理解してもらいやすい手順で話を進めているからである。ただし、それはあくまで一般的に言えることであり、【2008年度】の文章では、十分に論旨を消化して、自分の言葉でまとめ直すことが求められた。指定されている字数はぎりぎりであることがおおいので、余分なことは一切言えない。段落ごとの要点をまとめ、適切な接続表現でまとめあげていく練習を繰り返そう。実際に書いてみるとわかるが、文章の内容は十分に理解できているのに、なかなかうまく指定字数以内に収まらないものである。粘り強く何度も書いていくうちに、余分なところが削げてすっきりしてくる。その「快感」を知っておこう。
〈2〉部分和訳問題
一連の文章の一部が問題になっていることが多い。下線部以外のところもきちんと読み、全体の流れ、筆者の主張を理解した上で解答するのが筋である。「(1)語いの充実」で前述したとおり、単語の訳語ひとつも全体と切り離せないからだ。和訳は必ず書いてみること。頭で内容が理解できていることと、それを書いて表現することとは別である。また、英語の情報の出し方(語順や節の順序、修飾部分の入り方)と日本語のそれが異なるため、わかりやすい日本語にするのが難しいことも多い【2007年度】4(B)(1)の副詞句や(2)の関係詞節などがよい例である)。それらをどう処理すればよいのかは、実際に書いて「格闘」しなければ体得できない。注意したいのは、内容がわかっているのに通りのよい日本語にしにくいことにいらだって、「要約」あるいは「内容説明」になってしまうことだ。それならまだしも、悪くすると内容の「意訳」ではなく内容の「飛躍」になってしまう。困ったら基本に戻ろう。すなわち、文型の分析、修飾部分の割り出しと被修飾部分の確認といった実直な作業で「直訳」し、述べてあることの細部まで正確につかまえることだ。そうすることで、内容に間違いのない意訳が自信をもってできるはずである。おおまかな理解でなんとなく通りのよい日本語を作ったのか、きちんと内容を理解した上での意訳なのかは、読む人が読めばわかる(=ばれる)ものである。
一連の文章の一部が問題になっていることが多い。下線部以外のところもきちんと読み、全体の流れ、筆者の主張を理解した上で解答するのが筋である。「(1)語いの充実」で前述したとおり、単語の訳語ひとつも全体と切り離せないからだ。和訳は必ず書いてみること。頭で内容が理解できていることと、それを書いて表現することとは別である。また、英語の情報の出し方(語順や節の順序、修飾部分の入り方)と日本語のそれが異なるため、わかりやすい日本語にするのが難しいことも多い【2007年度】4(B)(1)の副詞句や(2)の関係詞節などがよい例である)。それらをどう処理すればよいのかは、実際に書いて「格闘」しなければ体得できない。注意したいのは、内容がわかっているのに通りのよい日本語にしにくいことにいらだって、「要約」あるいは「内容説明」になってしまうことだ。それならまだしも、悪くすると内容の「意訳」ではなく内容の「飛躍」になってしまう。困ったら基本に戻ろう。すなわち、文型の分析、修飾部分の割り出しと被修飾部分の確認といった実直な作業で「直訳」し、述べてあることの細部まで正確につかまえることだ。そうすることで、内容に間違いのない意訳が自信をもってできるはずである。おおまかな理解でなんとなく通りのよい日本語を作ったのか、きちんと内容を理解した上での意訳なのかは、読む人が読めばわかる(=ばれる)ものである。
〈3〉読解総合問題
【2004年度】・【2005年度】は1000語超、【2006年度】は約770語、【2007年度】は約1240語、【2008年度】は約970語と、年度によって増減があるが、これは他の読解を伴う問題(要約、段落補充など)の分量とバランスをとるためであるということは前述したとおり。短くても700語程度はある。したがって、1000語程度のものは一気に読める態勢を整えておこう。文章は、文学系のもの(物語・小説・随筆など)が中心であり、具体的な場面やそのときの人物の気持ちなどを生き生きと思い描けることが重要である。物語や小説では、何気なく記されたひと言やちょっとふれられているだけに思える「小道具」が仕組まれていることがある(【2007年度】の文章が、そうした「小道具」の積み重ねでできあがっている小説だった)。【2008年度】は、物語の視点が移動し、描出話法(本来なら“…”や間接話法のthat節内に入っているはずのセリフや思いが、「地の文」に放り出されているもの)が多用されており、物語特有の表現方法が際立ったものであった。こうした文章に慣れていない人には、読みづらかっただろう。論説系の文章では、読者の理解を助ける明示的な表現や順序で書き進められるが、文学系の英文はそれとは異なる「読み」の経験が必要だ。受験用問題集では一般に論説系の文章が中心となっている場合が多いので、本学の過去問を中心に他大学の問題でも長めの物語や随筆を大いに活用しよう。たとえば早稲田大学国際教養学部は、大問[2]で例年1500語程度の物語を出題している。
【2004年度】・【2005年度】は1000語超、【2006年度】は約770語、【2007年度】は約1240語、【2008年度】は約970語と、年度によって増減があるが、これは他の読解を伴う問題(要約、段落補充など)の分量とバランスをとるためであるということは前述したとおり。短くても700語程度はある。したがって、1000語程度のものは一気に読める態勢を整えておこう。文章は、文学系のもの(物語・小説・随筆など)が中心であり、具体的な場面やそのときの人物の気持ちなどを生き生きと思い描けることが重要である。物語や小説では、何気なく記されたひと言やちょっとふれられているだけに思える「小道具」が仕組まれていることがある(【2007年度】の文章が、そうした「小道具」の積み重ねでできあがっている小説だった)。【2008年度】は、物語の視点が移動し、描出話法(本来なら“…”や間接話法のthat節内に入っているはずのセリフや思いが、「地の文」に放り出されているもの)が多用されており、物語特有の表現方法が際立ったものであった。こうした文章に慣れていない人には、読みづらかっただろう。論説系の文章では、読者の理解を助ける明示的な表現や順序で書き進められるが、文学系の英文はそれとは異なる「読み」の経験が必要だ。受験用問題集では一般に論説系の文章が中心となっている場合が多いので、本学の過去問を中心に他大学の問題でも長めの物語や随筆を大いに活用しよう。たとえば早稲田大学国際教養学部は、大問[2]で例年1500語程度の物語を出題している。
【作文問題】
部分英訳に近いものから、要約、テーマ作文、欠文補充と、出題形式は年度によって異なる。
近年はようやくやテーマ作文に重点が置かれているように思われるが、どんな形式でも常に一定のものが書けるようにしておく必要がある。形式にかかわらず、英文として正しいものであることが最低条件なので、語法・文法事項など、辞書や参考書で調べられることは必ず自力で確認すること。
近年はようやくやテーマ作文に重点が置かれているように思われるが、どんな形式でも常に一定のものが書けるようにしておく必要がある。形式にかかわらず、英文として正しいものであることが最低条件なので、語法・文法事項など、辞書や参考書で調べられることは必ず自力で確認すること。
〈1〉部分和訳
近年は出題されていないが、書く内容を考える必要のないレベルの問題はクリアしておくことが欠かせない。標準的な構文や語法が十分に使いこなせるようにしておくために、市販の問題集やライティングの教科書の例文などを徹底的にマスターしておこう。
近年は出題されていないが、書く内容を考える必要のないレベルの問題はクリアしておくことが欠かせない。標準的な構文や語法が十分に使いこなせるようにしておくために、市販の問題集やライティングの教科書の例文などを徹底的にマスターしておこう。
〈2〉欠文補充
部分英訳よりも内容に関して書き手の自由度が増す。とはいえ、書き出しが指定されていたり、会話の途中の部分だったりするので、文脈からはずれないように、確実に使える表現で書けるものにすればよい。会話文の場合は、こなれた日本語が思い浮かぶだろうが、主語や目的語など英語では必要な要素を整えるパラフレーズができるようにしておこう。オーラルコミュニケーションの会話などで、「こなれた日本語」→「自然な日本語」の変換を意識しておくとよい。
部分英訳よりも内容に関して書き手の自由度が増す。とはいえ、書き出しが指定されていたり、会話の途中の部分だったりするので、文脈からはずれないように、確実に使える表現で書けるものにすればよい。会話文の場合は、こなれた日本語が思い浮かぶだろうが、主語や目的語など英語では必要な要素を整えるパラフレーズができるようにしておこう。オーラルコミュニケーションの会話などで、「こなれた日本語」→「自然な日本語」の変換を意識しておくとよい。
〈3〉テーマ作文
書く内容を決定するのに、まず一定の時間がかかる。本学のテーマ作文は設問内容がかなり多様である。テーマ作文というと一般的には「何らかの話題について自分の意見を述べる」というイメージだが、「絵に状況説明」「ことわざの説明」のようなものがある。何がテーマとされても動じないために、過去問をよく研究し、他大学の過去問の利用したい。「テーマ作文」と名の付くものなら、なんでもやっておいてよいだろう。また、根拠・理由をあげて「賛否」を論じるテーマの場合は、両方の立場で書いてみるとよい。書く練習だけでなく、異なった視点から考える練習にもなる。
書く内容を決定するのに、まず一定の時間がかかる。本学のテーマ作文は設問内容がかなり多様である。テーマ作文というと一般的には「何らかの話題について自分の意見を述べる」というイメージだが、「絵に状況説明」「ことわざの説明」のようなものがある。何がテーマとされても動じないために、過去問をよく研究し、他大学の過去問の利用したい。「テーマ作文」と名の付くものなら、なんでもやっておいてよいだろう。また、根拠・理由をあげて「賛否」を論じるテーマの場合は、両方の立場で書いてみるとよい。書く練習だけでなく、異なった視点から考える練習にもなる。
〈4〉要約問題
日本語で書かれているもの(何かの絵や会話)を読み、その内容を英語で要約するもの。テーマ作文とは異なり、内容に関する自由度はない。指定語数は「ぎりぎり」であり、それに収まるようにするのが難しい。
日本語で書かれているもの(何かの絵や会話)を読み、その内容を英語で要約するもの。テーマ作文とは異なり、内容に関する自由度はない。指定語数は「ぎりぎり」であり、それに収まるようにするのが難しい。
【文法・語い問題】
97年以降、[4]が文法・語いに充てられている。≪傾向≫のところでも述べたように、大きく「誤り個所指摘」と「語句整序」に分類できる。ただし、その中で具体的な設定はかなりの幅がある。たとえば「語句整序」なら、読解力を含む長文中の語句整序もあれば、短文で不足語を補った上での整序、短文での単純な語句整序もある。いずれにしても、正確な知識を身につけ、その活用や応用ができるようにしておきたい。長文読解や和約が得意な受験生でも、単語の知識と文脈を読む力でこなしていて英文の構造自体を十分に検討できないことがある。常に文型の把握、修飾語句や節の性質と意味、何が何にかかるのかといった「作り」の分析を怠りなくやっておこう。結局、文法・語いの知識は、それが直接問われるから必要なのではなく、読解や作文を正しく行うためには欠かせないものであるという認識を持って勉強したい。


