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中学受験の論説文対策 物語文・随筆文との違い
中学受験の四科の中でも、特に国語は「うちの子はセンスがない」「親がうまく教えられない」など、お困りの方が多い教科です。
このページでは、「長文読解攻略3つのポイント」と題して、国語の成績を伸ばすコツをお話したいと思います。
長文読解攻略の3つのポイント
- 論説文では「接続詞」に注目
- 物語文では「設問」を確認
- 随筆文では「場面」を区切る
論説文では「接続詞」に注目
論説文は、あるテーマについて「筆者の主張」を説明した文章です。
文章の内容は、「筆者の主張(結論)」に至るまでの過程を、具体例やエピソードを交えて説明している部分が大半です。
そのため、具体例やエピソードを読んでいるうちに、筆者の言いたいことが分からなくなってしまうお子さんは非常に多いです。
では、「筆者の主張」を理解するためには、本文のどこに注目すればよいのでしょうか?
1つの方法として、「接続詞」に注目することが挙げられます。
逆説・説明・換言の接続詞の後ろの部分には、筆者の主張がまとまっていることが多いからです。
代表的な「接続詞」は次の通りです。
- 逆説の接続詞…しかし、けれども、ところが、でも、だが…など
- 説明の接続詞…だから、なぜなら、というのは…など
- 換言の接続詞…つまり、要するに、このように、すなわち…など
これらの接続詞の後には重要な内容が書かれていますので、見つけたら後ろの部分に下線を引きましょう。知っているかそうでないかで差がつく部分です。
物語文では「設問」を確認
物語文では、「登場人物の心情」について問われることがほとんどです。
物語文は論説文と比べると、比較的読みやすい文章が多くなっています。そのため、「なんとなく読めるし、理解した気がする」というお子さんが多いです。
登場人物の心情を正確に理解して、正答するには、本文中から「解答の根拠」を見つける必要があります。思い込みによる間違いを連発してしまうからです。
ただ、物語文には、論説文の「接続詞」のように分かりやすい着目点がありません。
そこで、物語文で着目すべきなのは、「設問」です。
物語文では、設問から正答のヒント推測できるケースが多いからです。
設問は大きく分けて、4つに分類できます。
設問の種類
- 登場人物の心情やその変化の理由を問う問題
- 登場人物の性格に関する問題
- 前半・後半に場面分けをする問題
- 情景描写についての問題
①登場人物の心情やその変化の理由を問う問題
②登場人物の性格に関する問題
・会話文(口調や内容に着目)
・心情語(気がする・安心・悲しいなど)
・表情・態度(肩を落とすなど、喜怒哀楽を表すもの)
・行動
に注目すると、正解のヒントが見つけやすいです。
③前半・後半に場面分けをする問題
・時間の変化を表す言葉(朝、日暮れなど)
・場所の移動(学校、家、目的地など)
に注目しましょう。
④情景描写についての問題
登場人物の気持ちを情景に例えて表現している部分に関する問いです。情景描写の読み取りで大切なのは、イメージでとらえることです。
その場面がプラスイメージか、マイナスイメージかだけでも把握することが読み取りの第一歩です。
例えば、
1、 見上げると、満天の星空が広がっていた。西の方で流れ星がキラリと輝いた。
2、 見上げると、満天の星空が広がっていた。しばらく眺めていると、雨が降り出した。
という文があります。
この文から、場面をどのように読み取ることができますか?
どちらも満天の星空を見ているという状況です。
1では、「流れ星」が見えました。流れ星には願いが叶うなど、プラスイメージがありますね。
2では「雨」が降り出し、星空が見えなくなってしまいます。この場合、「雨」はマイナスイメージです。
このように、言葉から、プラスイメージかマイナスイメージかを把握するだけで、設問の選択肢をぐっと狭めることができます。
随筆文では「場面」を区切る
随筆文とは、ある出来事に対する「筆者の感想」を述べたものです。
物語文と論説文の中間のようなものと考えて下さい。
「筆者に影響を与えた出来事(体験)」と「筆者の感想(見解)」で構成されています。
例えば、以下のような構成パターンがあります。
【随筆文の構成パターン1】
出来事1→出来事2→感想
【随筆文の構成パターン2】
出来事1→小感想1→出来事2→小感想2→大感想
ほとんどの随筆文は、「出来事の後に感想」という構成になっています。
そのため、「場面」や「話題」の区切りに着目して読むことが大切です。
いかがでしたでしょうか?
「国語はセンス」と諦めてしまう方が多いですが、実は、ちょっとした読解のコツを教えてあげるだけで、得点はぐっと伸びます。
「勉強の仕方がわからない」というお子さんに、正しい方法を教えてくれる人がいれば、成績は目に見えて変わっていきます。